
観てきました。
劇場のCMを観るなり、「これは劇場で観なければ
ならない」と感じた。
徹底した拘りにより、切り取られた大自然の映像。
圧巻の映像ではありました。ただ自分の心が揺さ
振られたのは、その人物達の背景でした。
(演技や脚本では無くてね)
ガイドを担当した長次郎を取り巻く環境も、登頂に
向けてプラスに働くような雰囲気は無く、脚本で
もう一掘りあれば、良かったのにね。
また登頂を目論む柴崎も日本山岳会に遅れをとってはならないと
する陸軍の圧力から行動を受けているために成しえた部分があった
モノの、ここも表現も、もう少し描きようがあったでしょう。
ま、逆に描くコトが至らなかったために読書のように想像で補う
部分があったからこそ、楽しめる部分があったのかも。
キャッチフレーズでもある「誰かが行かねば、道は出来ない」
と同じくらい、感じるモノがあったのは、陸軍の存在です。
圧倒的な理不尽さの中で難題を要求されながらも、結局は
その理不尽さのおかげで手にするモノがあると云うコトを
感じました。
確かに、抗うコトから学ぶ多くのコトがあるように、流されるコト
からも多くのコトを学べる面はある。
己の思う通りにならぬ局面から奮起するコトで切り拓いた境地でも
受動的な状態から辿り着いた局面でも、己の心の有り様で幾らでも
成長できると云うコトを改めて気付かせて貰ったような気がします。
綺麗な自然美を観るには良い映画です。