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2008年7月28日
風の王国
何かで知ったのか覚えていないだのが、読んでみた。
五木寛之の作品は初めて。
結論としてはフィクション作品であるため、鵜呑みにはできないが
この国では一部特定の民を排斥するような動きがあったのは
事実のように思われる。
そしてその状況下でも自己を保ち続けた民がいるのも事実だろう。
確かに管理する側(政府)から見れば、戸籍を持たぬ身は
厄介極まりない。我々の日々の生活においても、不明確な
コトは極力排除し明確にしておきたいはず。
(わからないコトはハッキリ解決しておかないと気分悪いし)
そんな簡単な話ではないのかもしれないが、多くのモノを犠牲に
しなければ手に入れられない程、自由というモノは尊いもの
なんだとも思う。
今まで多くの排斥を受けた民に対する書物をみてきたが
これほど正等にかつ尊厳を持って描いているモノは
見たことがなかった。
と云うコトは何かに流され、縛られるコトを極端に嫌う自分で
さえもメディアや世相に捉われていたのかもしれない・・・
こんな固い話は、このくらいにして。
興味深い点としては、「歩く」コトに対して神格化とも云える
表現を用いている点かな。
確かにランナーズハイ的な経験はあるコトで、そのポイントに
歩くコトで到達した際には凡人には理解しえぬ世界なのかも
知れん。
そしてその日本における「歩く」ことを極めた有史の人物として
役小角として表現しているのも面白い。